ファイナンシャルプランナー(以下FP)の知識は以下のように多岐にわたります。
- 家計管理
- 医療費や介護費用、年金などの社会保険
- 老後の生活設計
- 教育資金
- 住宅資金
- 生命保険や医療保険
- 税制
- 相続・事業承継
- 不動産
- 資産運用
このように日々生活していくうえで意識してお金を使っているもの、無意識のうちにお金を使っているもの、お金の使い道がよくわからないものまでさまざまです。
ここでは、家計管理についてFPの関わり方について説明していきます。
1.FPの家計管理
家計管理というと家計簿の見直しのようなイメージを持つかもしれません。
しかしFPがおこなう家計管理は家計簿の見直しとは異なります。
もちろんFPが家計簿の見直しをすることもできますがもう少し広範囲の家計管理になります。
FPが行う家計管理は1年間にかかる収支を表にまとめるところから始まります。
そこから未来に起こるであろうライフイベントを各年に記載して未来の収支をまとめていきます。
その結果未来の貯蓄の予想や住宅ローンなどの返済から収支がマイナスになるようなことがないか管理していくことがFPの家計管理になります。
2.家計管理に必要な情報
それでは家計管理に必要な情報はなんでしょうか?
わかりやすいところでいうと給料や年金などの年収がありますね。
他にも住宅ローンや学費、生命保険などの各種保険料があると思います。
しかし他にもたくさんあります。
給料をもらう時に差し引かれる厚生年金や健康保険料などの社会保険料があります。
学費の中には塾代や参考書代、通学費も含まれますし将来一人暮らしをすることになったらその生活費も学費の中に含まれます。
他に見落としがちなのが一軒家の人は家の修繕費だったり家族の冠婚葬祭費もあります。
他にも例えば数年に一度海外旅行に行きたいとか車を買い替える時期もあります。
このように家計管理に必要な情報を見ていくとたくさんの情報があることがわかります。
3.FPがおこなう家計管理
それでは、実際にFPがどのように家計管理を業務でおこなっていくか説明します。
なお、ここではすでに顧客とはFPが顧客の家計管理をおこなう契約を結んでいることとしています。
①顧客の情報の収集と将来のライフイベントのインタビュー
まずは顧客から情報を収集するところから始まります。
家族構成から始まり源泉徴収票や各種保険証券、住宅ローンの返済計画や子供の授業料など情報を収集していきます。
情報は多ければ多いほどより正確な家計管理が完成するため、できる限りデータがある方が良いです。
また将来のライフイベントについては旅行に行きたいとか車を買いたい、家を改築したいなど楽しいイベントもインタビューをおこなってどんどん記載していくことがよりよいデータ収集になります。
②キャッシュフロー表の作成
顧客から収集した情報をもとに最初のキャッシュフロー表の作成をおこないます。
この時点では何も対策を立てていないので、どこかの年齢で資産がマイナスになる場合もあります。
マイナスにならなくとも思ったより資産が増えないとか改善したい部分が出てくると思います。
③提案書の作成
キャッシュフロー表の作成をおこなった時に改善したほうが良い部分の対策をまとめて、対策後のキャッシュフロー表の作成をおこないます。
この対策後のキャッシュフロー表の作成の中に含まれる対策が今後のライフプランの提案となりますので、対策前後のキャッシュフロー表と対策内容を合わせて提案書として顧客に提示します。
④対策内容の検討および実行
提案書の内容に記載されている対策について顧客と話し合いをおこない、実行することを決定した部分について実行していきます。
例えば、生命保険の保険金額がキャッシュフロー表の作成によって金額を減らすことができる場合は保険の見直しをします。
また旅行を毎年行きたかったが、キャッシュフロー表の作成によって3年に1度に見直したりします。
⑤実行内容のサポート
実行内容によっては各種金融商品の見直しが必要になる場合があります。
例えば保険を見直す必要がある場合は保険会社の紹介をおこなったり実行内容のサポートをおこないます。
⑥家計管理の定期的な見直し
家計管理は作成した時から年々変化していきます。
例えば子供が生まれた、転職した、法律などの制度がかわったなど必要に応じて家計管理の定期的な見直しが必要となります。
4.まとめ
今回はFPが家計管理にどのように関わっていくか説明しました。
家計管理の作成は未来の人生設計をおこなうことになりますので、きっと楽しい作業になると思います。
一度作成してみてはいかがでしょうか?