最新情報 高額療養費制度

高額療養費の計算方法は年齢や収入よって異なるため、わかりにくいです。

ここでは、2022年の最新情報と合わせて高額療養費制度について紹介します。

1.高額療養費制度

高額療養費制度とは1か月の医療費の自己負担額が限度額を超えた場合に高額療養費として支給されます。
この高額療養費制度は年齢、収入、保険の種類よって異なるため、非常にわかりにくい制度です。
しかしながら、入院すると医療費が多くかかるので必ず利用したい制度です。

2.高額療養費の具体的な計算例

具体例を用いて高額療養費の計算方法を説明していきます。

2022年1月FP2級試験より

剛さんは、病気療養のため2021年11月に5日間入院した。剛さんの2021年11月の1ヵ月間における保険診療分の医療費(窓口での自己負担分)が18万円であった場合、下記<資料>に基づく高額療養費として支給される額として、正しいものはどれか。なお、剛さんは全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の被保険者であって標準報酬月額は34万円であるものとする。また、「健康保険限度額適用認定証」の提示はしておらず、世帯合算および多数回該当は考慮しないものとする。

※剛さんのデータ
34歳会社員、給与年収:450万

<資料>

1. 12,180円
2. 83,430円
3. 93,570円
4. 96,570円

まず一番最初に「総医療費」を求めます。
条件にも記載されているとおり低所得者ではないため、自己負担割合は「3割」で計算します。
自己負担額が18万円ですので総医療費は以下となります。
 180,000円÷0.3(3割負担)=600,000円

次に「自己負担限度額」を求めます。
標準報酬月額が「34万」と記載されています。
③の28万円~50万円の計算式を使用します。
 80,100円+{(600,000円-267,000円)×1%}
=80,100円+(333,000円×1%)
=80,100円+3,330円
=83,430円
この額が自己負担限度額となります。

最後に高額療養費を求めます。
高額療養費=窓口での自己負担額-自己負担限度額となりますので、
高額療養費=180,000円-83,430円=96,570円となります。(答えは4)

3.高額療養費制度の注意点

高額療養費制度は以下の内容について注意が必要です。

自己負担割合

年齢と年収によって異なりますが、大まかには以下のとおりです。
・69歳まで
 3割負担
・70歳~74歳まで
 2割負担
・75歳以上
 1割負担

所得の違い

今回は標準報酬月額で記載されていましたが、保険の種類で所得の考え方が異なります。
保険種類としては国民健康保険と社会保険があり、国民健康保険利用者は年収、社会保険利用利用者は標準報酬月額で自己負担限度額の計算方法が決まります。

70歳以上

69歳までは1か月にかかる自己負担額は個人単位ではなく世帯単位ですが、70歳以上の高齢者については外来のみの医療費の場合は個人単位となります。
入院+外来の場合は他の年齢と変わらず世帯単位となります。

子供

子供については年齢によって自己負担割合が異なりますが、各自治体で医療費助成をおこなっているので、高額療養費制度の考え方が異なります。
子供の高額療養費については各自治体に確認しましょう。

保険会社の医療保険との関係

保険会社などの医療保険に加入している方もいると思います。
医療費控除の場合は医療保険が支給された分を差し引きますが、高額療養費はあくまで公的医療保険を使用した場合の制度ですので、保険会社の医療保険請求とは別物と考えて問題ありません。

高額療養費の申請

会社によっては自動的に高額療養費が還付されている場合があります。
自分の会社では個別に申請が必要かどうか確認しましょう。

4.まとめ

高額療養費制度については個人によって内容が異なりますので、不明点がありましたらファイナンシャルプランナーに相談してみてください。

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